読書喫茶室 アール座読書館
高円寺は14もの商店街があって、人の営みが間近に感じられる雰囲気の漂う好きな街です。私好みの雑貨屋さんもいくつもあります。
人気筆頭の高円寺純情商店街は戦前から栄えているそう。名前のレトロさ、堪らない。
高円寺ポータルサイトっていうのを見付けました。可愛いのでリンク貼る。
http://kouenji-street.tokyo/
http://pal.kouenji-street.tokyo/
目的のお店は、二大筆頭の商店街の一つパル商店街を少し歩いた所にあります。周囲に溶け込んでいて、探さないと見落としちゃうかも。知ってる人にしか見付けられない。いいですね。
異世界に引き込む力のある看板。
ここは普通の喫茶店とは違って、その名の通り本を読む為の店です。
ブックカフェは初めてです。音を立てない様にそろりとドアを開けると、カウンターにいらした店員さんが小さく微笑んで、小声で空いている席を示してくれました。席は殆ど埋まっていましたが、誰一人として言葉を発していません。歩く靴音も最小限に抑えて、一人用の小さな席に着きます。
ここが最高でした。ごく狭いけど、私だけの空間。目の前には小さな魚が泳ぐ水槽。周りを覆う様に伸びる植物たち。
オレンジショコラ・IC ¥680
オレンジの香りが濃くて、甘くて凄く美味しい。
棚から選んで持ってきた本は、文庫本のダブリン市民とペーパーバックのライ麦畑でつかまえてです。素晴らしく環境がいいので、直ぐに世界に入り込んで読み耽りました。
来店した人が自由に書くノートを開いてみました。随分使い古されている。皆さん思い思いに日記をつけたりしています。
中でも凄く惹かれたのがこれで、散文みたいにその日の出来事が書いてあるんですけど、凄まじく特徴的で面白かった。〝敬老の次の次の日に丁度台風が来て、電車に乗るのを止めたから……〟から始まって、きっかり一ページ。小説みたいな雰囲気があって語り口が少し古めかしくて独特で、凄く面白かった。ので写真撮っちゃった。この画像はぼかしてあります。
筆跡は高齢のご婦人のに見えるのに、内容はお祖母ちゃんからお小遣いを貰ったことが書かれている不思議。
ボールペンでさらっと書かれたこんな面白い文章に出会えるなんて、本が好きな人が集まる店なんだなと感じます。
滞在時間が3時間近くになると、注文の追加をお願いされます。
訪問日 2018.4.14 土
すぐ満席になるので13時までには来店した方が良い。